2020年3月2日
昭和50年創業の木島工機は、化学プラント内のポンプ、コンプレッサーなどの日常メンテナンス、機械器具の製造・設置、製缶などを主な事業としている会社です。
保守を担当するプラントでは化学薬品が使われるため、機械への負荷が高まることが多く、一般的な設備に比べて壊れやすいそうです。想定外の故障をできるだけ防ぐため、定期的なメンテナンス時に機械一台ごとの癖まで把握し、0.01mmの精度にこだわって作業。時にはすべてのパーツを解体し、オーバーホールにも取り組んでいます。
今回は、木島工機で機械のメンテナンス作業に取り組んでくれる社員の方を募集します。
お話を伺ったのは、次期経営者の木嶋太志(きじまたかし)さん。大学卒業後、大手企業で機械の設計に携わり、横浜や長崎への転勤を経て故郷である糸魚川に戻りました。
まずは、人材採用に踏み切られた理由を教えてください。
「当社を長く支えてきてくれた社員から技術を引き継ぎ、新戦力になってくれる方を育てたいという思いからです。今は、当社OBの方がサポートしてくれているのですが、どうしても経験豊富な彼らに頼ってしまう。できるだけ早く、これ以上OBに負担をかけずに事業を続けられる体制を整えたいんです」
ポンプやコンプレッサーの整備という仕事は、工場が動き続ける限りなくならない。
しかし、整備する機械の仕様が異なることで作業のマニュアル化が難しく、年々整備できる人が少なくなっているのだそう。まだまだ需要があるのにも関わらず、人手不足で対応できなくなる未来を想像すると歯がゆいと、太志さんは話します。
入社後の業務内容について伺うと、化学プラント内のポンプ、コンプレッサーなどの日常メンテナンスを中心に、機械器具の製造・設置、製缶など幅広く担ってほしいという思いがあるそうです。
「精密さが求められる仕事も多く、精度を測るための治具を自作することもあります。社員は独自の計測器具を扱う必要もあるので、多様な技術を習得することになります。だからこそ、機械いじりが好きな方だと一番うれしいです。工業高校で機械について学んでいたり、車やバイクが好きな方、ちょっとした機械なら自分で修理しちゃうような方にはきっと仕事の面白さを感じてもらえると思います。コツコツと仕事に取り組むことが上達の近道なので、根気強く作業できる方が来てくれるのもありがたいですね」
職人技はなかなか教えられない。とはいえ、これまで入社した方もまったくの初心者だったこともあります。作業の多くは、ベテランと若手の二人以上のチームで行われ、手元作業から丁寧に指導してくれるそうです。
木島工機で働くと、どんな成長ができそうですか?
「一年ほど経験を積むと、仕組みが複雑でない機械であれば自分ひとりで整備できるようになります。複雑なものや大型のものは、五年くらいかかると思います。長いスパンで考えてもらえたら、確かな技術を身につけることができます。技術系の資格取得については費用も全額負担するので、ぜひ技術を磨いてもらえたらと思います」
平成12年には大野地区に第二工場を設立し、最大級のポンプを木島工機一社で整備できるようになったそう。整備技術の向上にふさわしい環境が整っています。
「メインの事業であるプラント内の機械整備は時間との戦い。まず、機械に突発的なトラブルが起きた場合、できる限り製造ラインを止めないために早急な対処が必要になります。主な取引先は糸魚川市内にあるので、すぐに駆け付けて整備に取り掛かり、原因を探りだします。
もうひとつのパターンは、プラントが止まる長期休暇のタイミングでのフルメンテナンス。こちらはチェックすべきポイントが多岐にわたり、効率的な作業が求められます」
大掛かりな現場の場合は、社員全員で作業にあたることも。そのときのチームワークは太志さんもほれぼれするほどだそうです。
「和気あいあいとした職場で、日頃からコミュニケーションが取れているからか、現場でのまとまりの良さにはいつも驚かされます。仲間の様子を把握しながらも自分のやるべきことに集中し、速く丁寧に仕上げることができます。お客さまからも、そのスピードと精度を高く評価されていて『また頼むよ』『よくやってくれた』とありがたいお言葉をいただけます」
もちろん、現場作業には大変なこともあります。大型の機械を取り扱う際は、ベテランであっても細心の注意を払う必要があり、化学プラント内には立ち入ってはいけない危険なエリアも。事故なく作業ができるよう、お互いに声を掛け合い、目配りをして危険を避けるよう心掛けているそうです。チームで仕事をする際は、経験豊かな先輩方が安全な取り扱いについて指導してくれます。
近年は、糸魚川以外のエリアまで出張してメンテナンス作業をすることも増えてきました。
「それだけ、長年磨いてきた整備技術が必要とされていることを実感しています。社外に出向いての作業では、いろんな人と関わります。他の会社の方と一緒に作業したり、現場となる会社の方と話したり、そういった状況を楽しめると、より仕事にやりがいを感じられると思います。
みんなで作業を無事に終えたときが、一番うれしいしほっとします。大変なこともあるけど、ひとつひとつ事故無く完了させることが、次の仕事にもつながりますしね」
ここで、現社長の木嶋春人さんにもお話を伺いました。木島工機は木嶋社長のお父さんが創業されましたが、早くに亡くなられ、わずか数年で会社を継ぐことになったそうです。
「ちょうどその頃、うちの会社に初めて若い人が入ってきてくれたんですよね。正直、親父の始めた仕事だし、自分が継ぎたいと心から願った会社でもなかった。でも、入社してくれた以上、『なんとかこの人と家族を食べさせていかないと』……その一心で仕事に取り組んだよね。ひたすら頑張るしかなかった。その人は、今現在も働いてくれていて、苦労もかけたと思うけど、なんとかその時の決意はまっとうできてほっとしてます」
一番、大切にしてきたことはなんですか? と尋ねると「人、社員しかないよ」と社長。
社員への責任感と愛情がこもっている短い言葉。
「人を大切にする」という木島工機の根本は、会社としての仕事の選び方にまで影響していたのです。
「自社工場をつくった理由は、少しでも社員の働く環境をよくしたかったから。お客さま先の現場は、雨風にさらされる屋外のことも多かった。それなら、屋内で働ける仕事を増やそうと、溶接などの技術習得にも取り組んだんです。技術が身についてきたところで、自社工場内での作業も増やすことができました。
これまで地元密着で仕事をしてきたのも、社員にとって遠方の仕事はどうしても負担をかけてしまうし、一部の社員に負担が偏ってしまうから。それは嫌だったんです。会社に所属する以上、社員は仕事を選ぶとしても幅が決まってしまう。仕事内容は、社長がコントロールすべきだと思っていましたね」
「……今の話を聞いて、『社員のことを一番に考える』という信念を、しっかり引き継いでいかないといけないなと感じます」
社長の隣で、その重みを噛みしめるように頷く太志さんの姿がありました。
最後に、社員とともに目指したい未来、チャレンジしてみたいことについて伺います。
「カッコいいこと言えたらいいんですけど、今は新しいことにチャレンジするって正直言っていられないんです。仕事の機会がたくさんあるのに、カバーしきれないのが現状なので……まずは、ご依頼にしっかり応えられる体制をつくりたい。マニュアル化が難しく、でも必要とされる技術を受け継ぎ、お客さまによろこばれる職人を育てたい。一緒に頑張っていきたいです」
一方、富山県までエリアを広げて仕事に取り組む太志さんの姿に、頼もしさを感じている木嶋社長。
「社員に負担をかけたくないからというのは一つの考えで、昔と今では社外を取り巻く環境が違います。新しい時代になって、活躍の領域を広げているのは素直にすごいと思います。しかも、新しいお取引先に信頼されて、継続的にお仕事をいただけるようになった。それは、小さな会社にとってチャレンジと言っていいんじゃないかと思います」
製造業が盛んな糸魚川地域にとって、なくてはならない存在である木島工機。技術の継承という課題をクリアすることで、さらに活躍の場が広がりそうです。
目の前の仕事にひたむきに向き合ってきた歴史の重さ、そして「人を大切に」という理念を引き継ぎ発展させていこうとする後継者がいます。
そんな会社で腕を磨き、一流の職人として日本のものづくりを支えられるお仕事です。
ご応募をお待ちしています。
企業名 | 有限会社木島工機 |
住所(勤務地) | 新潟県糸魚川市中宿622番地 |
アクセス | 北陸本線(えちごトキめき鉄道) 梶屋敷駅から徒歩約15分 |
雇用形態 | 正社員 |
募集職種 | 仕上工、製缶工(見習可) |
採用人数 | 2~3名 |
給与 | 175,000円 ~ 280,000円 |
待遇 福利厚生 |
・通勤手当 ・労働災害保険 ・厚生年金 ・退職金共済 ・雇用保険 ・健康保険 ・昇給(年1回) |
勤務時間 | 8:00~17:00 (実働 7時間30分) |
休日 | 第1・第3土曜日(企業カレンダーによる)、日曜日、祝日 年間休日102日(昨年度) |
仕事内容 | 設備機械のメンテナンス、自社工場内での溶接、製缶した鋼構造を現物に持ち込み据付 |
必要な資格、経験、学歴 | 各特別教育、技能講習を修了していいなくても可 |
求める人物像 | 健康で、技術の習得に意欲のある方 |
募集期間 | 掲載開始から1年間 ※募集人員が埋まり次第終了とさせていただきます。 |
選考プロセス | まずは下記「応募フォーム」よりご応募ください。応募後、応募企業より直接ご連絡させていただきます。お問い合わせの場合も下記の応募ボタンよりお問い合わせください。お電話での直接のお問い合わせはお控え下さい。 |